2012年3月22日木曜日

外見と中身ーバランスの話

今日は若い人向けの話です。



「外見や見た目なんて下らないし、どうでもいい。内面や、中身こそが大切なんだ!」

「オシャレにばかり気を遣う奴は頭悪い。」

なんて考えてた時期が、俺にもありました。中学生くらいのときかな。いわゆる中二病ってやつ。

冴えないメガネと坊主頭でイケメンとはほど遠く、女の子からモテない現実から目を反らすために、こんな思想を持つに至ったんでしょう、きっと。泣けますね(笑)



まあ、今でもその考えを全ては否定しません。要は、バランスが大切なのだという事を、歳を重ねて学びました。

見た目やオシャレばかりに気を取られるのもダメだし、全然気を遣わないのもダメ。

なぜなら、見た目ばかり良くても中身が伴っていなければ、他人からの興味関心は最初だけで直ぐに離れていってしまうから。

その逆で、中身がいくら良くっても外見が酷い物だったら、誰も寄りつかずその良さを伝える機会を得られないから。


これって、恋愛に限らない、普遍的な事だと思うんです。


ビジネスでも然り。

宣伝・広告にいくらお金を使っても、製品やサービスの質が伴っていなかったら長期的な成功は望めないし、逆にいくら質の良い物を作っても、その価値を顧客にちゃんと伝えることが出来なかったら、やはり失敗してしまう。


言われてみれば当たり前のことですが、若い頃は分からないもの。


外見が先でも、中身が先でもいいので、
片方に相応しいバランスまで引き上げることー

これが出来れば言葉通り「名実ともに」備えた人物になれるというものです。


そんな事を「言葉でたたかう技術」を読み終えた後に思い起こしました。



欧米ホワイトカラーの基礎的な教養である、アリストテレスの「弁論術」。
この書には次のようなくだりがあります。

言論による説得には3つの種類がある。…(中略)…第三は証明または証明らしくみせる言論そのものに依存する…

説得においては、真実ではない事でも真実らしく見せる事が重要である、という意味ですが…正直であれ、という日本的美徳に浸かった私たち日本人には、ちょっと違和感がありますよね。

これも、実はバランスの問題だと思うのです。

なぜなら、自分が真実だと信じる事柄も、それを真実らしく語る技術を持たなければ、それは世間において「真実」とは成り得ない側面を持っているからです。

ガリレオ・ガリレイが「地球はまわっている!」と叫んでも、当時の世間はそれを認めなかったように。

この「バランス」や「中庸」といった考え方は、世の中の出来事を理解する上であちこちに顔を出してくるので、機会があればまた触れることにします。



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